有機機能性材料化学グループ

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教員 教授 福元 博基  researchmap
専門:高分子化学、材料化学、有機金属化学
所属学会:日本化学会、高分子学会、フッ素化学会、錯体化学会、基礎有機化学会
担当講義
学部:機器分析化学II、高分子化学I,II、有機工業化学、物質科学基礎実験I、応用化学実験I,II、応用化学演習II
大学院:高分子化学特論、有機合成化学特論
学歴 1990年3月 兵庫県立加古川東高等学校 卒業
1994年3月 大阪大学理学部高分子学科 卒業 (中村晃教授、真島和志助手)
1996年3月 大阪大学大学院理学研究科高分子学専攻修士課程修了 (中村 晃 教授、真島和志 助教授)
1999年3月 大阪大学大学院基礎工学研究科化学系専攻博士課程修了 (谷 一英 教授、真島和志 助教授)
1999年3月 博士(理学)取得
経歴 1998年4月-1999年3月 日本学術振興会特別研究員(DC2)(大阪大学)
1999年4月-2007年3月 東京工業大学資源化学研究所 助手 (山本隆一 教授)
2007年4月-2012年3月 東京工業大学資源化学研究所 助教 (山本隆一 教授)
2018年4月-2019年3月 茨城大学大学院理工学研究科(工学野)物質科学工学領域 准教授
2019年4月-現在 茨城大学大学院理工学研究科(工学野)物質科学工学領域 教授
2019年9月-2019年11月 Ecole Nationale Superieure de Chimie de Montpellier(国立モンペリエ化学研究所、Bruno AMEDURI博士)客員研究員
R6年度 学生 D3 1名、M2 9名、M1 5名、B4 5名

Research

有機半導体や太陽電池への展開を志向した共役ポリマーの合成

一般に高分子は電気を通さない絶縁体と言われています。 高分子を構成する炭素原子などはお互いに電子を出し合って「σ結合」とよばれる化学結合により強くつながっています。 σ結合に関わる電子は金属中の自由電子のように高分子の中を自由に動き回れないため、高分子にはほとんど電流が流れません。 化学結合にはσ結合と「π結合」と呼ばれる結合があります。π結合はσ結合ほど強い結合ではなく、π結合に関わる電子も結合内を動き回ることができます。 特に、π結合とσ結合が交互に連続してつながっている高分子は「π共役」高分子と呼ばれ、添加剤(ドーパント)を加えると電気が流れるようになります。 電気が流れるπ共役高分子は導電性高分子とも呼ばれ2000年にノーベル化学賞を受賞された白川英樹先生らによって見出されています。 このようにπ共役高分子は従来の高分子とは異なる性質を示すことから、現在では、トランジスタ、太陽電池、ディスプレイなど電子・光機能性材料への応用が期待されています。 私たちの研究グループでは、電子・光機能性を示す様々なπ共役高分子の開発を行っています。
polymer

フッ素の特徴を活かした機能性有機分子・高分子の開発

フッ素は最大の電気陰性度を持ち強く分極率の低いC-F結合を形成すること、水素置換基についで原子サイズが小さいこと等、他の元素に見られない特徴を持っています。 有機分子にフッ素置換基を導入することで、撥水撥油性、透明性、低誘電率、高耐熱性、化学的安定性といった機能性材料として大変魅力的な性質を持った有機フッ素化合物が得られます。 私たちの研究グループでは、久保田俊夫名誉教授を中心に、様々な構造・機能をもつ有機フッ素化合物の合成を行ってきました。 一例として、高度にフッ素化された有機フッ素化合物の一つであるオクタフルオロシクロペンテンに着目し、この分子の持つ優れた反応性を活用することで、有用な物性を示すフッ素化ポリマーを報告しています。 本ポリマーは安価な材料から簡単な反応で合成可能ですが、高価なフッ素樹脂に匹敵する材料特性をもちます。 環状アルケンモノマーBHFCは東京化成工業株式会社から販売中です。 ご関心が有る方は 東京化成様のウェブページで詳細をご確認ください。 このポリマーを含め関連の高機能性フッ素化ポリマーの総説記事を出しています。 久保田俊夫名誉教授のご研究を引き継いで、福元グループでは様々な構造・特徴をもった有機フッ素化合物・高分子の開発を行なっています。 学外研究機関や化学系企業との共同研究も推進しています。
OFCP